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故人をシノブ、過去をシノブ、人目をシノブ、此の世をシノブ、私をシノブ・・・つまり過去ログ。 当ブログはフリーズしています、いつか鳩を飛ばしたくなったら、 また再開するかもしれません。
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「あのジーンズは結局どうしたんだっけ」とショウコは考える。
浴槽に最近また少し太った足を投げ出して記憶をたどってみては、ため息を付く。
もう少し痩せたら、ううん、これがまた着られるようになるくらい痩せるんだから、と
そう考えて捨てるのを躊躇ったうえで、押入れにしまいこんだ記憶ならあった。
「でも、見つからない」のが現実で、再びため息をつく。
もうやめよう、痩せるのなんて。どうせ誉めてくれる彼氏もいないんだわ、「惨めね」と
と独りごち、見つからないジーンズに失った恋を重ね思い、つまり、また痩せるべきだと考え直すのだった。
きっと、見つかるのだ。「もっとキレイになりたい」という願望は、
彼女のコンプレックスである小デブ(コデブ)にそのままつながり、「痩せたい」になる。
きっと、たとえばソバカスがコンプレックスであったなら、ソバカスをなくしたい、と願うように。
無くしたものに対する未練は、どうしてこうも日に日に大きくなるものなのだろうか。
「よし、」明日から運動!じゃなくて、今日お風呂あがったら運動するぞ、うん。
痩せるのだ、絶対に。
そうすれば、きっとあのジーンズは見つかるに違いない。
そうすれば、きっとまた新しい恋も始まるに違いない。
もはや、ショウコにとってジーンズを本当はどうしたのか、は?
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 確かに、この辺だったのだと、記憶している。
 日に焼けた少年たちが大声で叫び合いながら過ぎていった。
私だけが取り残されたような、そにのような気になってしまって、どうにも落ちつかなくなってしまった。

 そう、この辺だった。
古い二件長屋の面影はすでになく、マリア様の像の傾きかけた墓地だけが広がっていた。
幼い頃のそれよりも、心なしか、古びて見える。

(何年ぶりだろう)
この地へ来たのは。

 なにも理由はなかったが、強いて揚げるとすればそれはたぶん、
たぶん現実逃避ではなかっただろうか。
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